がん患者さんへの服薬指導ツール(PDF)を作成しましたので、ダウンロードしてご利用ください。
医療関係者以外の方は、医師・薬剤師などの指示のもとご覧ください。
乳がんホルモン療法ツール
ホルモン療法副作用チェックリスト
チェックリスト チェックリスト(ワード) チェックリスト(ポケット版) チェックリスト(ポケット版・ワード) |
活用例
待ち時間に記入してもらう | 待ち時間を有効活用できます。ただし、プライバシーや患者の気持ちに配慮が必要です。 |
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服薬指導時に患者と薬剤師が一緒に副作用チェックを行う | 患者の訴えを聞き出しやすくなります。患者にリストを見せなくても薬剤師が副作用確認のツールとして使えます。事務的な聴取にならないよう注意が必要です。 |
お薬手帳に貼る | 仮に記入されていなかったとしてもその後話題に挙げやすくなります。貼付した時期が分かります。 |
お薬手帳にはさむ | 手帳に貼った場合に比べて記入の義務感は薄れます。患者さんの好きな時に記入することができます。 |
薬袋に入れておく | さりげなく副作用の注意喚起を行うことができます。多くを語らない方や急いでいる方にも、そっとアピールできます。 |
ホルモン療法パンフレットと一緒にお渡しする | |
自由に持って行っていただくように待合室に設置 | 乳がん関連の冊子、ホルモン療法パンフレットなどと一緒に置いておきます。 |
チェックリストに記入して貰った情報を病院と薬局間で共有する |
副作用があった場合の対応
体や顔のほてり・発汗
※パンフレット「ホルモン療法中の生活と工夫」P.4~7を参照。 副作用別パンフレット ホットフラッシュ |
イライラ・落ち込み・不眠
※パンフレット「ホルモン療法中の生活と工夫」P.22~30を参照。 副作用別パンフレット イライラ・落ち込み・不眠 |
シミ・肌あれ
※パンフレット「ホルモン療法中の生活と工夫」P.8~21を参照。 副作用別パンフレット 紫外線対策 メイクの工夫 |
性的な問題
※パンフレット「ホルモン療法中の生活と工夫」P.31~36を参照。 副作用別パンフレット セクシュアリティーについて |
手足の痺れ・こわばり・痛み
※パンフレット「関節体操」を参照。 関節体操 |
だるさ・疲れやすさ
倦怠感の原因は心理的要因、睡眠不足、疲労の蓄積、栄養不足・貧血など様々な要因によって生じる可能性があります。
化学療法後では抗がん剤のダメージや食欲不振から倦怠感が生じる可能性もあります。またうつ症状の一部でとして生じる可能性もあることもあるため注意が必要です。
いずれにせよ、倦怠感を軽く見ずに様々な要因を考慮して対応していくことが大切です。
体重増加
ホルモン療法により食欲が亢進する可能性があり、対策としては生活習慣を見直す必要があり、患者さんから相談を受けたら運動・食事面での指導を行うのが良いと考えられます。
もともと体重が多めの方で体重増加が見られることが多いようです。ただし、浮腫によっても体重が増加することがあるため、肥満との鑑別が必要です。
息切れ・浮腫み
担癌患者さんは静脈血栓塞栓症のリスクが高いといわれています。ホルモン療法でもその有害反応の可能性が少なからずあります。
血液が固まりやすくなるため、血栓(血の塊)が脳や肺に流れてゆき、血管がつまってしまう「脳梗塞」「肺塞栓症」、下肢の静脈に血栓がつまってしまう「下肢静脈血栓症」などです。
血液中の水分量を維持するために水分をとり、長時間同じ体位をとることは避けましょう。浮腫み、手足の痛み(張るような)、痺れ、頭痛、息切れなどの症状が続くようであれば病院に相談しましょう。
物忘れが多い
ホルモン療法による認知機能への影響は一定の見解が得られていませんが注意が必要です。
抗がん剤治療後であれば、ケモブレイン(抗がん剤治療の間、もしくはその後に、記憶力、思考力、集中力が一時的に低下する症状。その原因や対処法はまだ解明されていない。)の可能性も考えられます。
身長の低下・背中や腰の曲がり・痛み
骨粗しょう症になって骨がもろくなり、背骨がつぶれてしまうと、身長の低下が生じます。4cm以上身長が縮んだ人は積極的に骨密度検査やレントゲン検査を受けることが推奨されます。
これらの症状の訴えがあった場合には骨密度の検査や治療を受けているか確認してみると良いでしょう。